ブラジルリトリート報告

こんにちは。

2025年1月8〜18日にブラジルにて開催された、

Vox Mundiの創始者Silvia Nakkachによるリトリートに参加してきた、

ティーチャー訓練生&プラクティショナーの中井多歌子です。

この度のリトリートの様子を、一部ですがシェアさせていただきます。


<ヨガ・オブ・ボイスとブラジルとの関係>

オリーシャたち
オリーシャたち

最初に、なぜヨガ・オブ・ボイスのリトリートが、ブラジルで開催されるのかについて、説明させていただきます。

 

それはブラジルが、ヨガ・オブ・ボイスと、とても深い繋がりがある国のひとつだからです。

というのも、ブラジルはSilviaがかつて何年か住んでいた国であり、Silviaのルーツがここにあります。

 

例えばヨガ・オブ・ボイスの数多くのプログラムのに、メディスン・メロディというメニューがあるのですが、その中でSilviaが紹介してくれる歌には、ブラジルの先住民の歌や、オリーシャと呼ばれるアフリカ系ブラジル人の間で大切にされている精霊達の歌が数多くあります。

 

また、これは今回私が実際にブラジルに行って初めて知ったことなのですが、Silvia自身が歌う

メディスン・メロディの歌詞によくでてくる単語の多くが、実はブラジルの公用語であるポル

トガル語だったのでした。

 

例えば、

 

クラ クラ = curar 癒す

 

リンパ リンパ = limpar きれいにする

 

コラソ = coração 心

 

それまではなんとなく、そのミステリアスな響きから、

これらは「おまじない」の言葉のように思っていたのですが、、、


<参加者の顔ぶれと日本からの参加者>

日本からの参加メンバー
日本からの参加メンバー

今回のリトリート、参加した生徒は15名。

うち9名が、Silviiaと同じアメリカから、

あとは、アルゼンチン、ブラジル、韓国から各国1名ずつ、

そして日本から、私を入れて3名が参加しました。

 

 

そして、今回のブラジル・リトリートでは、

リオ・デ・ジャネイロ、サルバドール、インバサイ、

と、3箇所を訪ねました。

 

 

<最初の滞在地、リオ・デ・ジャネイロ>

早朝のイパネマ海岸でフットバレーの朝練
早朝のイパネマ海岸でフットバレーの朝練

リオ・デ・ジャネイロは、「リオのカーニバル」でも有名な大都会。

 

その中で、私たちは、ボサノヴァの名曲「イパネマの娘」で有名なイパネマ・エリアに滞在しました。

 

ホテルからイパネマ海岸までわずか2ブロック。

ここのビーチでは早朝からランニングをする人、ヨガをする人、犬の散歩をする人、そしてフットバレーという見たことないスポーツ(ビーチバレーとサッカーを融合した球技)のインストラクター付き朝練に汗を流す人たち、、、

と、日本で言うところの、東京の青山のような洗練された街並みと、仕事前にひと汗流す健康的な人々の暮らしが印象的なエリアでした。

 

私たちリトリート参加メンバーも、ここ、イパネマを拠点に、Silviiaたちによる授業に参加する他、観光やライブハウスなどへ足を伸ばしました。

 

 

リズムのクラスにて
リズムのクラスにて

リオ・デ・ジャネイロには、Vox Mundi Brazilの先生、Albaがいます。

今回は、Albaの紹介で、Claudia先生による、リズムのクラス、Dalia先生による、ブラジル音楽とラーガについての講義を受けることができました。

特にリズムのクラスでは、各自がブラジルのパーカッションを持たせてもらい、簡単な刻みを教えてもらって合奏したのですが、

私たちが、初心者も混ざるメンバーだったにもかかわらず、かなりの確率で全員が一発で先生の指導にピタリとあわせられるので、先生もびっくり。

まさに私たちがSilviaの生徒であり、日頃から「深く聴くこと」を大切にしているメンバーが揃っていることを実感しました。

Silviaも、「彼女たちは、私の生徒なのよ!」と、自慢してくれて、ちょっと誇らしかったです。

 


<サルバドールへ>

サルバドールの街角
サルバドールの街角

リオ・デ・ジャネイロからサルバドールまでは、飛行機の国内線で移動しました。

 

サルバドールは、ヨーロッパ人が最初にアフリカから奴隷をつれてブラジルに上陸した場所として栄えた港街で、現在はその歴史的な街並みが世界遺産として保存され、数多くの教会や博物館などがあります。

味わいのある街角には、先にもあげたオリーシャの存在が、いたるところに感じられました。

オリーシャとは、カンドンブレというブラジルの民間信仰の神々(精霊達)で、カンドンブレは、かつて沢山のアフリカ人達がブラジルに奴隷として連れてこられ、キリスト教に強制的に改宗させられた歴史の中で、アフリカ人の彼らが心の底で密かに持ち続けた民間信仰が年月とともに体系化されたものです。

 

ダンスのクラスにて
ダンスのクラスにて

ここ、サルバドールでは、Silvia先生(ヨガ・オブ・ボイスのSilviaと偶然同じ名前!)によるオリーシャダンスや、Edvaldo先生によるオリーシャの声と祈りのクラスも受けることができました。

 

 

オリーシャのクラス
オリーシャのクラス

なお、オリーシャの声のクラスの様子は、Facebook liveのアーカイブでも動画をご紹介していますので、よかったらそちらもご覧ください。

 

https://www.facebook.com/share/v/1PN53Uo4Mm/

 

 


<Silviaの故郷、インバサイ>

インバサイの海の家からの眺め
インバサイの海の家からの眺め

サルバドールからバスで北上すること2時間半。

今回のブラジル・リトリート、最終滞在地は、Silviaの故郷、インバサイでした。

これまでに滞在してきた大都会や有名観光地とはうってかわって、ここは静かな海辺の街。

授業の合間に、滝に遊びにいったり、ビーチで泳いだり、と、ゆるやかな時間が流れました。

 

ここではリトリートも終盤を迎え、Silviaから私たち参加者に、オファリング(リトリートでは毎回最後の総括的に実施されるプログラムで、自分の才能をみんなのために提供すること。それによって、自分自身の内側で“変容”が起こる機会となる。)についての特別な課題が出されました。

それは、

「今回のオファリングは、パフォーマンスではなく、みんなをファシリテートしてください」

というもの。

テーマは、リズム、言葉、メロディ、の中からの選択性となりました。

私は、日本の祭り太鼓のリズムをファシリテートしました。

盆踊りをイメージして咄嗟に口から出てきたメロディは、東京音頭!

リズムは跳ねているのに、手踊りの動きは優雅なのが特徴です。

これ、客観的にも面白い日本の文化だな、と、

私自身、自分で紹介しながら日本文化を再発見したのでした。

 


<最後に。初めてのブラジルで感じたこと>

 

今回、私にとってブラジルは初めての国だったのですが、行く前の私が抱いていた、ブラジルの地理的なイメージは、日本との時差が12時間で南半球、地球の反対側でとにかく遠い、そんなイメージしかありませんでした。

 

ところが実際にその地に立って強烈に感じたのは、「ブラジルって、思いの他アフリカと近い!」

ということでした。

日頃、太平洋を中心とした世界地図ばかり見ていたところに、あらためて地球儀で、ブラジルの位置を見てびっくり。

ブラジルに、これだけアフリカの文化が受け継がれているのも納得でした。

しかも色濃く発展し、根を下ろしています。

 

そして、ブラジルはとにかく広大!

なんせ、南米大陸の半分近くはブラジルですし。

そんなブラジルという国は、地域、時代、歴史、宗教、民族(先住民、ヨーロッパ系、アフリカ系、日系 etc.)と、さまざまな要素が、立体的に幾重にも何次元にも層をなし、大胆で斬新で力強く複雑に混ざりあった文化が渦巻く、とてつもなく魅力的な国でした。

 

ブラジルの夜空に輝く南十字星
ブラジルの夜空に輝く南十字星

なによりブラジルは、オリーシャが棲まう国でした。

彼らの存在は、アフリカから大西洋を渡ってきてたどりついたブラジルという国で、耕され、

洗練されていきました。

 

日本にも、いわゆる「八百万の神々」を敬い大切にするという精神文化があります。

そしてこのような文化は、世界中のあらゆるところで受け継がれています。

彼らは、ヨガ・オブ・ボイスが、”声”という太古より人間が育んできた美と調和を見出す世界

とも、全てひとつに繋がった存在だと感じました。

 

この繋がりは、私がサルバドールの街をひとりで歩いていた時、地域のコミュニティセンター

の人たちがサンバのリズムで歌い踊っているところに、招き入れてもらった時に起こった出来

事で、確信となりました。

私は、ひとしきり彼らと踊った後、踊りの輪に入れてくれた彼らへの感謝の気持ちとして、日

本の歌をプレゼントしたのです。

その時、私が使うことができたポルトガル語は、たったのみっつ、Japão (= 日本)、cantar (=

歌う)、obrigado (= ありがとう)、だけでした。

それでも何かが、境界線を越えたような感覚がありました。

 私がマイクを渡されて日本の歌を歌っていると、途中から彼らの楽器隊が彼ら自身のリズム=サンバのリズムを重ねて、一緒に演奏してくれたのです!

それは思いもかけなかった”融合”でした。

言葉はわからなくても、お互いの目を見れば、想いは繋がっていることがわかりました。

 

最後に、一緒に参加者していたMarlee-Iに教えてもらった、John Coltraneの言葉を引用します。

 

“All made from one, all made in one.”

(全ては 1 つから作られ、全ては 1 つに作られる。)

 

Silvia、そして、みなさんに、感謝いたします。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございました。